その箇所だけしか問題が無いと思っている患者さん
電話相談の方で多いのが、インプラント治療の必要箇所しか問題が無いと思っている患者さんが多い事です。
インプラント治療は、歯のあった場所の顎骨に穴を開けて、埋めて、ハイおしまい!という機械的治療ではないのです。
インプラントすれば噛める!と思ってケアも以前のまま、タバコも吸う、歯間ブラシもしない、定期的にメンテナンスに歯医者さんに行かないでは、せっかく時間をかけてお金もかけて痛い思いをしたのが短い期間でパーになってしまいます。
ずっと欠損したまま(歯が抜けた状態のまま)で放っておいた口腔内は、おそらく骨が痩せている(骨吸収)可能性も高ければ、骨自体が歯周病菌に感染している可能性も極めて高く、口腔内の清潔環境はきっと良く無い事でしょう。
インプラント治療をするにしてもきちんと口腔内の治療を行なって、さらにGBR法などの骨造成術が必要になりますし、簡単にできる方と違って治療が終わるまで長い期間を要する可能性も。
要するに問題だらけなのです。
それを、痛みが無くなったから治った!というような患者さんの今までの考え方ではきっと後に問題が起こります。

まずはそういった患者さんの考え方から治さなければいけません。
今までの虫歯の処置をするような感覚ではダメですよ。
「インプラント専門」と大きく掲げ、それ以外の治療は他で行なって下さい!みたいな俗にいう「インプラント屋さん」が診断やコミュニケーションもそこそこに、すぐに治療に取り掛かってしまうのも問題の1つとも言えます。
「行けばすぐ治るという意識の患者さん」の機械的な治療意識が必然的にマッチングしてしまう傾向が多いのです。
そのような口腔内の患者さんの意識を変えずに安易に治療を行なってしまう事自体、現在の歯科業界の問題とも言えると思います。
私達日本人って不思議なもので、「実績◯◯本!」とか、実際に自分の目で見た訳じゃないのに簡単に鵜呑みにして信用してしまう人種なのかもしれませんね。
すべての治療がきちんと行えてはじめてインプラント治療と言えます。
詳しくはDr.インタビューを見ていただければ名医の各先生方の治療への考えが良くわかると思います。
口腔内全体を考えること
インプラント治療が必要になるほとんどの方は歯周病などが原因での事と思います。
せっかくインプラントを埋入しても、口腔内の環境によって維持期間が大きく異なります。
患者さんは、「ココしか悪く無い!」と思っているケースでも、歯科医師の先生が診たら他もあちこち悪いという事はざらにあります。
それを治すか治さないかで行ったインプラントが長持ちするかしないかに関わってくるのです。
インプラント治療前にはやるべき治療をきちんと行なってから治療をすることをオススメします。

きちんと噛み合わせや、術前術後のメンテナンスの事、歯周病治療、歯茎の状態、そのすべての治療がその歯科医院で出来なければ、いくら治療実績が◯◯本!と大きく出ていようがダメなのでは無いでしょうか?
あくまでもメインの先生の実績だけでなく、そこに勤務する歯科医師やグループ全体の本数の合計であり、むしろ本数の多さよりも、その内容が重要と言えるのです。