この記事は2007年〜2015年に書き上げた記事を2020年以降にも随時、加筆、修正した記事になります。
インプラント費用(価格設定)について
インプラント治療は保険適用外の治療なので、インプラントに関連する術前の抜歯やレントゲン、治療後のメンテナンスなど、すべての治療が患者さんの本人負担になります。
自由診療とも自費治療とも言います。技術料など歯科医院が自由に料金設定することが出来る治療の事をいいます。
ところが、実際のインプラント治療費は見せ方の違いがあり、一見安そうに見えても、術式費用や骨造成費用、被せ物の材質などがオプションになっており、結果普通とさほど変わらないことも良くあります。
医療広告でのインプラント価格の表示は、保健所などは「込み価格を表示しなさい!」と言いますが、医療なので正直、「込み価格表示」は難しいのにそう表記しなければいけない状況です。
実際の手術や被せ物の材質の選択などが異なる事が多いのに、「込み価格表記(全ての総額表記)」にしろと、無理な事をしなさいと「お上(おかみ)」は言っています。
目を引く表示方法は、スーパーの広告チラシやガソリンスタンドの看板などでもそうですが、人間心理として「アテンション(注意を引く)」を考えた表示方法は決して悪い手法とは言えませんが、ただ「安い!」といって、費用だけで安易に飛びつく前にしっかり判断することが重要と言えます。
患者さんの口腔内の症状や難易度によって金額が変わるのは当然のことであり、ホームページなどに表示されているインプラントの価格だけで判断するのは良くありません。
インプラント費用・価格の見え方
インプラント費用の見え方について書いてみます。
下記には2通りのインプラント費用の掲示の違いを表しています。
インプラントの価格は自由診療のため、歯科医院が好きに設定できるのですが、この見え方によっても大きく変わります。
費用の見え方その1、「インプラント価格の掲示を安く見せる」場合
インプラント植立9万円 3年保証
+
{上部構造(かぶせもの)+骨造成+術式費用(サイナスリフト・ソケットリフト)}
人工骨・メンブレンなどの材料費別途、CT撮影は外部専門機関に委託(有料、患者さん負担、2〜3万くらい)
費用の見え方その2、「全てコミコミのインプラント価格」の場合
30万で5年保証 {薬、CT撮影、再手術が必要だった場合の費用、骨造成すべて込み}
サイナスリフト・ソケットリフト・GBR(骨造成)などの術式費用 無料
目に飛び込んで来る見え方としては(1)の方が安く見え、(2)の方が高く見えるのは当然です。
すべては価格の見せ方の違いです。もちろん人によっては骨造成が必要がない場合もありますし、患者さんにもいろいろなケースがあります。
インプラントの保証が短いけど安い方が良いな!
という方もいれば、
インプラントの保証という安心も含めてならば!
そのように分かれると思います。
骨が十分にある場合などは
(1)のほうがタイプに当てはまるでしょうし、
(2)は、万が一インプラントが着かなかった場合などには安心ということです。
なので、どっちのタイプが自分には合っているのかしっかりと比較することです。
歯科医院を2〜3件比較すればだいたいわかります。
細かくご説明すると、GBR(骨造成)代が3万円という価格の所もあれば10万円という価格設定もあります。
サイナスリフト代・ソケットリフト代が有料の所もあればサイナスリフト代が有料、ソケットリフト代が無料という所もあります。
インプラント費用の事だけを書きましたが、これからメンテナンスも行っていく事を考えれば、
インプラントを行う歯科医院のスタッフさん、ドクターさんとフィーリングがあうかどうかもとても重要なことです。
一概に、見た目の費用だけでは決めれないということです。
最近では、「2~3件歯医者さんを比較したけどどの歯科医院も全然違うので分からない」という患者さんのお問い合わせも増えてますが、くれぐれもインプラントの費用だけで飛びついてしまうのは得策ではありません。事前の診断や、インプラント治療を行う前にしなければならない検査や治療なども含め、インプラントを長期維持するには口腔内の環境を清潔に保つ必要があるからです。
値段だけで判断してはいけない!
ご相談者のお電話で、治療が上手くいかなかったと言う方に必ず聞いています。
「その歯医者さんはどうやってお調べになられたのですか?」と。
かなり多くの方が、「家の近所の歯医者さんをネットで調べて」と言う方でした。初診で行かれてどれくらいの回数や期間でインプラント治療をしましたか?と聞くと、格安を売りにしている歯科医院や相談会など多くの広告宣伝費を掛けている所は比較的早く治療に踏み切っています。治療が上手く行かなかったにもかかわらず、次の歯科医院を探すのも、また同じようにネットで調べてという方が意外と多いのです。
結論
- インプラント治療を値段だけで判断しないこと。まず最初に行わなければならない治療が先であり、難しい治療や例外を除いて1箇所の歯科医院できちんと治療が行えること。全ての治療がきちんと行えてインプラント治療が成り立ちます。
- 格安インプラント、低価格インプラントを売りにしている所は「インプラント屋さん」の可能性もあるので注意が必要。(インプラント屋=他の治療は行いたくない!インプラント治療だけやりたい!抜歯や一般治療は他の歯科医院に行ってくれと言われる可能性も。)
- もちろんインプラント治療の値段が安価である場合でも、診断もしっかり治療も行ってから治療を行う歯科医院もたくさんあります。骨造成を伴わない比較的簡単な症例の場合は術式費用が安く済むこともあります。
- インプラント費用を比較的高く設定しているところでは、ごく稀に「インプラントメーカーの伝統と歴史」「自分の治療自慢」を語り、ホスピタリティに欠けた説明を行う歯科がある場合もあります。最終的には人の手で行う手術です。その歯科医院に安心して長く通えるかどうかも決める上での重要な項目です。
- できれば歯科医院をご自身の足で2~3件は比較しましょう。
最近は、検索エンジンなどで「インプラント」単体のキーワードで治療を行う歯科をお決めになる方はほとんどいないと思います。「地域名+インプラント」、「駅名+インプラント」などでお調べしますよね。インターネットや電話だけで済まそうとせず、ご自分の目でしっかりと確かめてお決めになるのが一番です。 - メンテナンスや保証まで費用の確認をきちんと行いましょう。
⇒インプラント治療チェックリストをお使い下さい。
もし、迷ったらフリーダイヤル0120-198-017までインプラント相談のお電話を。