インプラントメーカー

HAコーティングのインプラントの批判について

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この記事は2016年9月に書き上げた記事で随時更新を行なっております。「インプラント名医検索システム編集部」
検索キーワード候補「HAインプラント」「HAインプラント 危険」「HAインプラントの特徴」、他

2016年8月・9月。
ある週刊誌にインプラントの特集記事が掲載されました。

その内容とは、HAコーティングのインプラントがあたかも5年でダメになるような記事でした。
これは、ある1ピースタイプのインプラントの特定メーカーに対して向けられている感じもしましたが、全てのHAインプラントに誤解を招くような記事の書き方でもありました。
編集者の私はそう感じました。
患者さんには少しマニアックな話になるかもしれませんが、「1ピースと2ピースのインプラントの違い」、「HAコーティングインプラントと、そうでないインプラントの違い」と捉えてもらえればと思います。
インプラントのメーカーさんは、インプラント体が骨との結合が早く、歯肉側から骨吸収がより起こりにくい構造を模索し続けています。
その中でもHAコーティングのインプラントは骨との結合が早いと言われています。

HAとはハイドロキシアパタイトの略で、辞典にはこう書いてあります。

リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分。エナメル質(歯の一番表面の部分)は97%、象牙質(エナメル質の下の組織)の70%がハイドロキシアパタイトでできている。

水酸燐灰石(すいさんりんかいせき、hydroxyapatite, HAP、水酸アパタイトヒドロキシアパタイトハイドロキシアパタイト)は、燐灰石のうち、1価の陰イオンとして水酸基を主に含むものの称号。人間をはじめとする脊椎動物の歯や骨といった硬組織の主要構成成分である。(一部Wikipediaから引用)

要は鉱石としても存在し、人間の身体の中にも存在する物質なので、人間の骨には親和しやすい物質なわけです。
このHAといわれる物質は、歯磨き粉など様々なバイオマテリアルとして使用されているのです。
確かにHAコーティングのインプラントは、1ピースタイプと2ピースタイプの2種類あるのですが、ほぼ1ピースのインプラントが主流で歯科業界に広まってます。

2000年頃からメーカーはシェアを伸ばし、A社、O社、P社をはじめ、海外製品にもHAコーティングされたインプラントが発売されてました。
それぞれのメーカーによってHAのコーティング構造が異なります。
インテグレーション(骨と結合すること)と同時にHAが消えるもの。
インテグレーション後もHAコーティングが残るもの。など、様々なタイプのものがあります。
ある会社がHAの特許を持っていたので、その特許期間が切れてから、後発メーカーさんも製品に様々な工夫をし、製品を開発しています。
ただ、新製品の開発力は資金力が豊富なメーカーさんでなければ頻繁に行うことができないので、国産メーカーがシェアを伸ばすのにはとても苦労しています。

一時は海外メーカーも、HAタイプから製造開発を離れた時期もありましたが、最近またHAインプラントを出すのではないか?という話も耳にします。

1ピースインプラントは2ピースインプラントに比べ治療工程が少ないのと、骨と結合するスピードが速いなどの理由もあり急速に歯科全体に広まりました。今までインプラント治療を行なってなかった歯科医師が、これなら簡単に出来ると思って軽い気持ちで1ピースインプラントを導入し、診断などを疎かにし、安易に治療に取り組んだ結果、安売りインプラントなどが当時急激に増え、
【1ピースインプラント=HAインプラント=激安インプラント】
みたいな見られ方も一部でありましたが、その製品特徴を十分に理解し、骨造成を行わないでインプラントが行えるなどの様々な先生の良い意見もありました。


確かにこのHAインプラントは骨と着くスピードはかなり早いと思います。

よって治療期間が短かくなるのがHAコーティングインプラントの特徴です。

反対派の理由は、
「HAのインプラントはHAの表層コーティングが骨と着く訳で、インプラントのチタンが骨と着く訳ではない!」
「アバットメント部が最初から突出しているから噛めてしまうのが問題だ!」
というような理由があるのではないでしょうか?
確かにこういった意見の先生も多いかもしれません。

でも、
「1ピースインプラントは工程上簡単だから、ろくに診断もしないで安易に患者さんに治療を行う歯科医師が少なくなれば、、、」
この記事には一部、そんな先生方の意図があるのではないか?と誌面を見て思ってしまいました。

私の周りには、もちろん1ピースタイプ(HAコーティング)の先生もいらっしゃいますし、2ピースの先生もいらっしゃいます。
HAインプラントから2ピースのチタンインプラントに切り替えた先生もいらっしゃいます。
HAインプラントだけにこだわり、しっかり長期維持できている先生もいらっしゃいます。

中にはメンテナンス不要論を唱える先生もいます。
インプラント後のメンテナンスは重要!と治療保証の内容に定期通院を条件に!と記載している歯科医院もたくさんあります。

結論は、きちんと説明を受けて、きちんと診断してもらって、自分の口腔内が歯周病かどうかを把握して、注意を聞いて、ちゃんと歯磨きして、定期検診に通って、どのインプラントメーカーなのかを聞いて、フィーリングがあう歯科で治療を受けていただくのが良いということです。
インプラントは高度医療機器ですから国の認可をパスしたものです。
だから、患者さんから見てメーカーはそんなに大きく違うモノではないということです。
まあ、2ピースの場合はどのメーカかを聞いておくのは必要と思いますけどね。


HAコーティングの天敵は歯周病?

下記の2枚の写真をご覧ください。
DSC02079 DSC02084
どちらもHAコーティング1ピースタイプのインプラントです。
脱落してしまったインプラント体を見れば分かると思いますが、黒く見えたりコーティングが剥がれているのが分かりますでしょうか?
原因は、歯周病に感染してしまい、コーティング層が剥がれた状態と言われています。
しかし、
全部が全部そうなるわけではありません。
HAコーティング層が感染してしまってコーティングが剥がれ落ちるというケースも稀にあるということです。
最初の時点(埋入から骨との結合までの間)は、圧倒的に早いのがHAコーティングインプラントの特徴でもあるので、患者さんに掛かる負担は少ないかもしれません。
上記にも書きましたが、歯科医師の先生の間での賛否両論は、「骨とチタンが着くのではなく、HA層と骨が着いているのでは?」という意見で分かれます。

2ピースタイプのインプラントはHAコーティングされていないものがほとんどですが、製品によっては設計構造上の問題で、感染して骨からインプラントが脱離するケースも勿論あるので、1ピース、2ピース、HAインプラント、リスクは同じと言えるのではないでしょうか?

あまりにも治療を「あなたはすぐに出来ますよ〜」と言われて口腔内が清潔でない状態でインプラント治療をすればどうなることやら、、、安易に想像がつきますよね。
インプラント治療のことは一生懸命説明されたけど、「メンテナンスの事はあまり聞かされてない」。
メンテナンスを行わなければインプラントはどうなることやら、、、、

安易に想像がつくとおもいます。


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HAコーティングインプラントが26年も維持してる?


図1

このレントゲンはHAコーティングインプラントの父ともいえる元東京医科歯科大学教授の青木秀希博士の口腔内に入れられたインプラントです。
【青木先生の著書】
歯科インプラントを科学する―理工学的視点から
驚異の生体物質アパタイト

HAコーティングインプラントの父と言われる青木先生が開発したHAコーティングインプラントが使用されています。丸で囲った部位は1990年に治療されたHAコーティングのインプラントです。
治療後26年経った現在も立派に機能しています。
残りのインプラントも他メーカーのHAコーティングインプラントで5年から10年の経過です。
先生は2016年現在、74歳になりました。まるで自分の歯のようによく噛めて、現在でも研究意欲が旺盛な生活をおくられています。


1ピース、2ピース、HAインプラント。一番大事なのは何を使おうが「使う理由」と「説明」。

私たち患者側からすれば、どのメーカーのインプラントであろうとなかろうとそんなに大差は無いということで良いと思います。
せめても「使用するインプラントメーカーを聞くこと。そしてしっかり説明を受けること。」
これは、あるインプラント治療のベテラン歯科医師の先生が仰ってました。
先生がそのインプラント製品を使うには必ず理由があると。(下記にその理由を説明)

1ピースタイプのインプラントは構造上1部品しかパーツが無いので問題は無いのですが、
2ピースはフィクスチャーとアバットメントの2部構造ですので、使用メーカーを知っておかないと万が一歯医者を変えた時に自分の口腔内のインプラントがどのメーカー製品なのかを特定するのに時間がかかってしまいます。
接合部に使用するネジもメーカーによって異なりますので、どの歯科でも対応できるとは限らないからです。
フィクスチャーとアバットメントの締め付けトルクもメーカーによって異なるからです。
「あなたに使用したインプラントは◯◯というメーカーのインプラントですよ!」
と先生から聞いた方が患者さんは安心できるということです。

その製品を使う理由というのが先生には必ずあります。
「接合部がしっかりしているからこのインプラントを使ってます。」
「骨との結合が早いのでこのメーカーの製品を使ってます。」
「ネジが緩みにくい構造なのでこのインプラントを使ってます。」
などなど。
少し前は、「一流メーカーだから使用している」と言った理由もありましたね。
日本人は「ブランド力」に弱い人種ですから「一流メーカー=安心」みたいな考えになってしまうんでしょうね。


無茶苦茶な記事内容・番組について

まあ、歯科医師でも無い一般人の私がここまでインプラント製品にマニアックなのはご容赦ください。
(歯科医師の先生でもここまで製品に詳しい方、精通している方はそういらっしゃいませんが。)
あたかもインプラント治療のすべてがそうである!みたいに特集しているTV番組(NHKですけど)、週刊誌は、患者さんにも誤解を与えるだけでなく、良いものを何も生み出さないような気がします。
「その一部では、、、、」とか「こういった治療もある」という構成なら良いのですが。
それだけに、雑誌などの記事でインプラント治療について、歯科治療について変に書いてある記事や番組には納得がいかないのです。
あたかも、インンプラントは5年で歯周病(周囲炎)に感染とか、感染は5倍とか?じゃあ、天然歯への感染はどうなの?って話ですよ。怒った歯科医師の先生は多いですよね。
書いたのも、作ったのも知らない人が構成したのだなと、見る人が見ればすぐわかります。


「危険な国産インプラント」?

東京郊外のある歯科医院のホームページには、「危険な国産インプラント」と称してあたかも国産のインプラントがダメであると誤解を招くタイトルでページが表示されると思います。
一時期「国産の1ピースタイプのインプラント」が流行った時期があります。
2ピースのインプラントに比べ手術工程が少ない分、格安を売りにして安易に治療に取り掛かる歯科医院も増えたことも事実です。
HAコーティングされているインプラントは骨と結合する期間も早く、被せ物が入る期間まで半年もかからないのが売りだったので、一時は爆発的に扱う歯科医院が増えたのです。
別に特別「危険性」というなものは無く、きちんと10年以上経過しても口腔内で機能しているきちんとした治療を行なっている歯科医院も多く存在します。
危険性があるとすれば、「広告宣伝ガンガン」「格安を売り」にしていて、「診断もそこそこ」で、「患者さんにすぐインプラント治療を勧める」という歯科医院は1ピース、2ピースに限らずに危険度が高くなる可能性があるという事だと思います。
ただ、国産インプラントのあるメーカーは経営が厳しい状態のところもあり、インプラントの開発設計も昔のままといった弱点があるのは否めません。
ですが、全部の国産インプラントがダメということではないので、そのあたりは勘違いしないようにしなくてはいけません。

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2017 JapanImplant P.A

implant@info

投稿者の記事一覧

「インプラント名医検索システム」編集長。

【経歴】
家電製品や会員権などのトップセールスを経て2006年に広告代理店、ネット通販、web制作、輸入食器卸売販売などを行う会社を設立。
日本で1番最初に生マッコリの通販を始め、韓国のざくろ酢(ホンチョ)を日本で大ヒットさせた実績を持つ。
歯科をはじめ、過去20箇所以上の事務長を経験。
一般人でありながら歯科の個別指導も経験した。

士業、医師、歯科医師、柔道整復師、鍼灸師など様々なネットワークと経験を生かし2007年一般社団法人日本インプラント推進協会を設立。
歯科インプラントポータルサイト「インプラント名医検索システム」を公開。

不運にもインプラント治療が上手くいかなかった患者さんやトラブルを抱えた患者さん、これからインプラント治療を考えている方への歯科医院選びのアドバイス活動を電話やメールで日々行なっている。
多数のTV番組、雑誌からの取材にも協力している。

web制作、Webコンサル業務を中心に、歯科運営アドバイザー、セールスアドバイザー、ポータルサイト運営、歯科スタディーグループ事務長、医療コンサルタント業務、歯科材料の販売、医療関連の記事の執筆活動を行なっている。

趣味は競馬観戦、料理

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