2019年2月、連休中に1本の相談の電話がありました。
千葉県船橋市の女性で「前歯4本」のインプラント治療済みの方のやり直し相談でした。
普通に考えれば歯医者さんも祭日は診療していない事くらい分かるはずなんですけどね、相談日も相談時間も御構い無し!
相談のルールのページを見ないで電話を掛けてこられたみたいで、いきなり名も名乗らずに相談を話し始めます。
まあ、思い立ったら自分の都合だけで考えてしまうんでしょうね。
相手の都合は関係無いんでしょう。
普通か普通じゃ無いかなんて患者は分からない
この患者さんの相談内容は、「前に通った歯医者さんでは1回の治療で口の中の全ての被せ物を外してしまうんですよ!そんなことって普通ありえます?」と言う内容でした。
患者さんに聞きました。
「じゃあ普通って何ですか?」と聞くと、自分の「おかしい」と思っている主張が認めてもらえない事に不機嫌になったのが電話越しにわかります。
自由診療の歯医者さんであれば1人あたり1時間治療を行うことなんてざらにあります。もちろん1本だけでなく2本、3本いっぺんに治療することは普通にあります。
ですが、保険診療であればそうもいきません。
保険診療中心の一般的な歯科医院であれば、15分に1人予約を取る歯科医院もあれば、30分に1人の予約取る歯科医院が通常だと思います。
インプラントの定期検診でも行われるしっかりしたPMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を行なっている歯科医院であれば、口腔内クリーニングはとても30分ではしっかりきちんとは行えないのでだいたい1時間は予約枠を取ることでしょう。
口腔ケアのプロフェッショナル(P:歯科衛生士)が行う超音波スケーラーなどの機械(M:メカ)を使った歯(T:トゥース)のクリーニング(C)
厳密に言うと、『保険診療でPMTC』と言って行なっている歯科は口腔内の清掃内容が『自費でPMTC』を行なっている歯科よりも時間を掛けない内容や、細かい工程になっていないと思います。
※毎回大変だと思いますが、本当はあまりメンテナンスをケチってもらいたく無いんですけどね・・・大掛かりなインプラント治療を行なったような悪い症状の人ほどメンテナンス代をケチる傾向にあるので注意が必要かと。歯を失った原因は明らかに虫歯放置や口腔ケア不足によるもののはず。歯科医師がちょっとさわった程度でダメになるような歯は、ダメにされたのではなく、その程度でダメになるので、放っておいてもいずれすぐにダメになる歯ですから・・・
現行の診療についても説明しましたが、どうやらこの方は納得いっていないみたい。
結局、「普通」というのはその方の経験や知識の中での意識にしか過ぎません。
これが「デンタルIQ」というものです。
これを知らずして良い治療を受ける事はとても難しいと言えます。
何でか?というと普通の基準が低いからです。
今まで痛い時にしか歯医者さんに行かず、痛みが引いたから治ったと思っている方は、定期的に歯医者さんに言ってクリーニングなど予防治療をきちんと行っている方と比較して良く考えてみてください。
そのような点を踏まえて「何が普通か?」ということかを考えなければいけません。
結局は、歯科探しにおいて治療後に失敗する方も含め、その方の普通レベルまでの所(歯科)にしかたどり着かないようになっているようにも思います。
先生にダメにされてしまったと被害妄想
「本当は3本の予定だったんだけど治療の途中で1本ダメにされて4本になってしまったんです。」
今度は被害者的な発言。
「何の説明も無かった訳では無いと思うし、いきなり被せ物を外された訳でも無いと思うし、インプラントも予定が3本で1本増えたと仰いますけど所詮その程度の治療でダメになる箇所がインプラントになったと言うだけの話ですよ。それだけいろいろ手をつけなきゃいけないくらい口腔内がダメな状況でありながら、都合良く近場で探した結果ダメだったんでしょ。なら同じ探し方をしてもダメですよね〜」と説明。
結局の所の問題点は「前歯4本のインプラントの向きが違うので、他の歯医者さんに行っても手をつけられない」と断られてしまう。
聞いていて、「まあ断られるだろう」と。
せっかく1回でいっぺんに治療してくれたのに「○○された」「普通じゃ無い」と言われてしまっては歯科医師の先生もお手上げです。
この方が、その歯科が行なった治療に対して普通か普通じゃ無いか?を同情してくれる先生を探したり、症状が悪いにも関わらず、前回と同じように近場で治療が行える歯科を探すことをしなければ治る方向に向かうと思います。
たまたま近くにそのような歯科があればラッキーですけどね・・・ただ、抜去含めた前歯で骨が薄い箇所のやり直し治療ですからねえ・・・探すのはかなり大変でしょう。
「船橋 インプラント名医」などのキーワードで検索しているのでしょう
この数日間(2019年2月上旬〜中旬)、「インプラント名医 千葉」とか「船橋インプラント」などと言ったキーワードを検索エンジンで調べた方が電話相談してくるといったケースが多かったのですが、千葉の船橋と言えどやり直しの治療や他メーカーのインプラントに精通していてフィクスチャー抜去などの経験が豊富な名医の先生を探すのは至難の技だと。
この方は特に前歯だし・・・
前歯は骨が薄いので治療をする先生方も大変なんですよ!言ってもなかなか理解しません。
「簡単な手術であればその辺にもいくらでも治療ができるところはある。だけれどもその症状、部位、口腔内だと治療を行うところが限られてくる。」と説明しました。
その時に患者さんは言ってました。
「もう少し近場で無いですか?」と。←(なんでココを横着するの!!!!といつも思う。たまたまあればラッキーだけど、その探し方で失敗したんでしょ!と言いたい!!:言ってしまうんですけどね。↓)
「現状を受け入れられない人に限って体調が悪いとか、遠いとか、色々な理由をつける。それでいて注文が多い。もし末期の癌だった時に「もっと近場で無いですか?」とは聞かないでしょ?」と言ったら「もういいです!」と言ってガチャっと一方的に切られてしまいました。
東京都心部には船橋からでも30分ちょっとで行ける場所です。
被せ物のグレードでもそうですけど、その数万円をケチったりすると短期間で外れたり欠けたりした時に後悔しますよね。
近場が都合がいいとか気持ちは分かりますが、これは症状によっての話です。
別件ですが、相談が来た数日後にまた同じキーワードで検索するのもこのタイプの方に多く見られる傾向です。
※あれほど言っておいたのに(笑)・・・声を聞いただけでちゃんと治る方向に行く人と絶対に検索する人ってだいたいわかります。
ちょっとだけキーワードを変えて「インプラント 評判の良い歯医者 千葉」とか検索エンジンに打ち込んで・・・
いつまでもそんな事をやっているようでは絶対に良くならないのに。
そんなにどこの誰が書き込んだか分からないような他人の上辺だけの評判、評価が気になるんですかね??そんなので簡単に探せるなら誰も苦労はしません。
まあ、現状(真実)に目を向けることができない方はなかなか良くなることがありません。
だって、そうしなければ治ることは絶対にありませんから。
ハズレを引く人に決まって共通する部分
・歯医者さんの探し方が一緒
インプラント治療後に良い結果を得られなかったに共通するのですが、かなり多くの方が最初に失敗した時と同じ行動をとります。先入観、他人の評価、見た目などの表面上だけに目がいってしまいがち。人間の思考や行動、物の見方はそう簡単には変わりません。特に年配になるにつれて今まで染み付いた固定概念みたいなものがあるのでしょう。治療に失敗した方のほとんどの方が最初に失敗した時と同じような歯医者さんの選び方をしています。
・「○○された」と自分は悪く無いよう(被害者みたいに)に言う
被害者みたいな妄想が多い方。もちろん歯医者さんの治療が悪い場合もあるが、そのような所を選んでしまった自分が悪いとの反省ができない人。もう少し口腔内に気を使っていれば良かったものの、悪くなってからしか歯医者さんに行かなかった事により治療箇所が増えてしまったというような反省や、選び方が悪かったという反省は一切無い。悪くなったから歯医者に行ったんでしょ!と強硬姿勢を貫く。
・間違った健康知識が多い
卵は1日1個まで!ヨーグルトは朝食べるのが一番良い!など昔の間違った常識から、現在の正しい常識にバージョンアップできていない人。こういった人に限ってHNKで放送していることは全て正しい!と思ってしまう絶対的なHNK信者が意外と多い。自分が良くなる事や健康に対して良い事は他の人よりも興味が薄い。昔は歯みがき大会などで歯ブラシを上下に動かすと教わった事を信じ続けて歯ブラシは鉛筆持ちで細かく動かす事を知らないなど、今までずっとコレでやってきたと聞く耳を持たない頑固な人。
・甘いものが好き!化学調味料好き!
甘いものは疲れを取ってくれる!女性に多いですが甘いの大好きですよね〜聞く耳を持たない方のほとんどはなぜか決まって甘いもの好きが多いです。甘いものを取らないと言う方でも立派な体型をされている方、どうして立派なの?答えは簡単!分解できる以上の糖質を摂取しています。自炊しない方、外食が多い方、惣菜を買われる方、味の素が好きな方、糖質の異常摂取は体に良くありません。砂糖は中毒性があるのを知っていますか?別に砂糖が無くたって人間は生きていけます。健康のために毎日野菜ジュースを飲んでいる方も要注意です。健康と引き換えに糖分の過剰摂取になりますよ。精製物は成分だけを精製しているので毒と言えます。サラサラした白い粉は毒と思った方がいいです。トランス脂肪酸もそうですが、自然界に存在しないものを摂取すれば排泄せずに体内に蓄積されます。うつ病などの精神薬も一緒。解毒しないで体内に残るからまた体が欲しがって摂取してしまうという繰り返しになるわけです。そのような事を何て言うか分かりますか?「中毒」って言うのですよ!
・繰り返し検索するのも中毒!
分かっちゃいるけどやめられない!というのが中毒ですよね。これは薬に限ったことではありません。すべて自分に対しての妥協が失敗を生むのです。気になる事をネットで検索することは確かに楽ですが、何の疑いも無く信用してしまう人ほど催眠にかかりやすいのと一緒です。自軸がはっきりしていない方は全ての情報に左右され、迷いも生じさせます。だって、色々なことが書いてあるわけですから(笑)それが正しい情報か間違った情報かも判断できないわけですから。こう言った方が最近歯科医師に対して「ネットにはこう書いてあった」と言い放ってしまうわけです。舌を噛んだところが白くなって、ちょっと治りが遅いだけで「舌が白い」「舌癌」とか検索してしまうわけですよ。治療後に些細なことが気になる方も同じことが言えます。他の方がほとんど気にしないような事を気にするわけですからね。歯科心身症は薬なんて飲んでも治らないのに何の疑いも無く向精神薬や抗うつ剤を飲み続け、飲んでいる限り病気でい続けるわけで・・・相談で気持ちが晴れたにも関わらず、自らまた検索して負の方向に向かいスパイラルに陥る方を多く見ています。
当サイトの電話相談後にまた検索してこのページにたどり着いた方は「検索中毒」で要注意だと言うことははっきり言っておきます。
気にしなければいけない事に気を使わずどうでもいい事にこだわる=おかしい
インプラント治療において患者さんが一番気をつけなければならない事って分かりますか?
「一流メーカー製品だから安心」とか「年間○○本の実績」、TVCMとか、本を書いている先生とかこれらは全て表面上の事ばかりじゃ無いですか!!
まあ、そういった言葉で集客(集患)するようにしたのも一部の歯科が行った事であることは間違いありません。
人間心理として「じゃあ、一流じゃなければダメなわけ??」と単純にそう思わせてしまう。
「実績〇〇本」の数字が多ければいいわけじゃ無いというのも普通なら分かると思うんですけどね。
いっぱい先生が居るところであれば全体の合計本数になるわけで、上手い先生も普通の先生も居るわけですよ。
一流メーカーといっても人が手で行うのが治療なんですよ。
歯周病でボロボロでインプラント治療が必要ならば、治療が必要になった原因を理解して受け入れて、口腔管理を改めなければ手術に費やした痛みや費用と時間はパーになってしまいます。
それなりの症状の方はそれなりの設備や実績、経験があるところを比較して決めるべきであると思います。
それを歯科知識がない方がネットだけで探そうとか、症状が重度なのに近場で〜とか無精すると、結局は自分に跳ね返ってきます。
まとめ
40代、50代、60代、70代の方でもそうですが、昭和の時代にはインターネットはおろかスマートフォンなどはありませんでした。
今では手軽に分からないことはすぐにインターネットで検索できますが、自分の欲しい情報は自分に贔屓して都合がいいように見てしまいがちです。
自分の軸がしっかりしていないと目から飛び込んできた情報に不安になり、精神的に影響を及ぼします。
気になって検索し続けたり、間違った情報を何の疑いも無く正しいと思い込んでしまったり、あくまでも情報収拾のツールとしては良いと思いますが、最終的には自分の足と目で確認しなければダメだと思います。
その工程を横着すると良い結果に結びつかないと言うことです。