週刊現代に「インプラント治療」をテーマにした記事が掲載された。
私がいろいろなインプラント治療を行う歯科医師の先生に
何かまたインプラントの事が週刊誌で記事になったみたいですよ!
と先生に言うと、記事を見た先生方から色々な反応が返ってきた。
コメントしている先生はまだしも、ランキング100とかどう決めてるの?聞いた事ない所もあるな。今回初めて取り上げられたのかな?患者さんは掲載料取っているケースもあるの知らないだろうからね〜
こういうの出るとあまり良い影響無いし!むしろ患者さんに悪いイメージしか付かないから、インプラント治療のことをあまり知らないっぽい人が書いている記事は本当に困る!
あれ?自分で自分の事を名医って言っている先生も出ているじゃない(笑)「自称:俺って凄いでしょ」のタイプ。
「インプラント治療 名医」って調べるとサジェスト(検索候補)やスポンサー広告で「インプラント治療 名医 ◯◯」って検索したら個人名で出てくるってことは自作自演しているからすぐ分かるよね(笑)Yahoo!は代理店から「このスペースに表示されるので◯◯円で書いませんか?」って営業が来るからね〜
この先生「大学病院はお勧めできない」って言っちゃってるけど、日本の大学病院を敵に回したね、こりゃ。実際に怒ってましたよ!他の歯医者さんに複数年に渡って口コミの嫌がらせをして訴えられて裁判に負けて60万近くの支払命令が出た人にコメントを求める週刊誌ってどうなんでしょう?
だいたいでも歯科医院が仕入れるインプラントの原価を載せちゃダメでしょう!比較じゃなく安いとこだけ載せるならまだしも・・・・
確かに各方面のインプラント治療の先生方からこういった怒りも含めた反応があるのも無理はない。
東京都や神奈川県には大学病院の口腔外科でインプラントのリカバリー治療を専門で外来診療している大学病院の口腔外科がありますからね。
書いてある見出しだけは立派そのもの。内容は過去多くの雑誌で記事になった物よりも的を得ていない!
ウチ(当サイト)は歯科業界だけでなく元広告代理店の人やウェブに強い人が揃ってるから(笑)こういった歯科の自作自演を暴いたりというのは得意ですからね〜
「自由診療だからこそちゃんと知りたい金額と最良のメーカー」というタイトルに然り、
見出しはまともだけど、それって今まで当サイトがずーっと言ってきた事じゃ無い??
そう!だけど、その次に続く「ベストなメーカーはここ」という記事はちょっと違うんじゃ無い?一択じゃないか(笑)
歯科分野でもインプラント製品だけでなく、CTやモーター(インプランター)、メディカル分野ならMRIやカテーテルなど(他にもいっぱい)の機械などでも競争があって良い製品が生まれるのは言うまでもない。
抜きつ抜かれつ、追いつき追い越せ、切磋琢磨とでも言うのだろうか。これは技術進歩において今までにおいてもこれから先も変わる事はなく、この繰り返しだと思う。
インプラント製品における進歩
確かに「ストローマン」は2024年現在(2023年度の実績)では国内シェアNo.1のインプラントメーカーで、日本国内多くの歯科医院が採用している評判の製品だ。
どの点が評判なのか?というのは多くの患者さんは知らないだろう。
まず、「表面構造」という骨と接する面のコーティング技術が各メーカーそれぞれに特徴があるのだ。
ストローマンは「SLAactive」通称SLAと呼ばれている表面構造が術者である歯科医師の先生方から評判で、表面構造において各メーカーも様々な工夫を凝らしている。
それ以外にも長期維持に適した「横溝の構造」、2ピース構造のインプラントであればフィクスチャー(骨の中に埋まる部分)とアバットメント(被せ物の土台部分)の接合部分のネジの強度や、緩みにくい構造などの欠点が改良されて年々進歩している。
でもヨーロッパ中心に世界で一番売れていて、伸び率が高いのは韓国の「オステム」のインプラント製品でしょ?
私はインプラントで最も歴史のある「ブローネマルク」を使っているからね!最近の「ノーベルバイオケア」の製品は良いよ!
日本人の顎骨に適した国産インプラントは国産シェアNo.1の「京セラ」の「ファインシアインプラント」でしょ!10年保証もメーカーが保証しているし、何かあったときにもすぐ対応してくれるのは安心できるからとても良い!
ヨーロッパでシェアの多い「アストラテック」は数年前にデンツプライとシロナが一緒になった会社「デンツプライシロナ」になったけど、「アストラテック」は骨との結合にはちょっと時間はかかるけど、ネジの緩みは少ないし、良いインプラントだと思うよ!
などといった先生たちの中でも製品に関しての評価には様々な意見がある。
それが「1社だけが最良」という記事の内容なのだ。
ここ数年、各メーカーの「表面構造」には大きな進歩が見られ、どんどん良くなっているのが現状。
実はこうした医療製品は様々な競争があり、追いつき追い越せで良い製品が出てくるのです。
ただ、資金力が無いメーカーは製品の欠点を補った商品が新たにラインナップに加わることがなく、インプラントの設計自体が20年以上前の製品も製造販売している会社があるのも事実だ。現にそのようなメーカーは「昔取った杵柄」で未だ「格安インプラント 」を歯科医院に推し進めているというメーカーがあるのも事実です。
決める際には「治療を行う歯科医院でどのメーカー製品かを確認する」というのは重要になってきている。
日本国内でのインプラントメーカーの市場シェア比較
インプラントメーカーの日本国内のシェアはご存知でしょうか?
2023年にある歯科業界誌で発表された最新の統計ではインプラント業界の数字では以下のようになっています。
まず、1位のストローマンジャパンは「SL Active」という表面構造を持つインプラントで骨との結合が比較的短期間で着く構造のインプラントが人気になり、国内で33%のシェアを持つメーカーです。
次に2位、ノーベルバイオケアが続きシェア14%。
3位は当院でも使用しているアストラテックは「デンツプライシロナ」の取り扱いする製品で13%の国内シェアがあります。
4位は国内メーカーの京セラの「ファインシアインプラント」が9%。国産メーカーでは日本トップシェアのメーカーで、京セラといえば誰でも知っている会社名だと思います。
世界一の販売数を誇る「オステム」は日本では7位ですが、日本国内での伸び率も25%と驚異的で多くの歯科医院からの支持を得ています。オステムはヨーロッパでも圧倒的な人気ですからね。
※最近のインプラント業界の統計を参照、数字は「約」とお考えください。
※最近では「ストローマン」や「オステム」からもセカンドライン的な製品も販売されています。
「1社だけが最良」という記事を見ると、コロッと信じてしまう患者さんは多いですからね・・・
インプラントメーカーの開発における技術進歩
前項でインプラントの表面構造について解説したが、これはインプラントの種類によっても異なる。
インプラントは1ピースタイプと2ピースタイプの大きく2種類ある。
1ピースとは骨に埋まる部分と被せ物の土台になる部分と一体構造の仕組みになっており、この1ピースインプラントを採用している歯科医院であれば、2ピースと比較すると安価で治療を受けることができる。
その理由は1ピースタイプは手術の工程が「1回法」で手術が1回で済むのが特徴だ。
ただ欠点もあり、当日から被せ物の土台部分が出ている事から、骨と結合していないのに噛めてしまう状態になるからだ。当然であるが噛んではいけない。
表面構造には「HA」と言われるハイドロキシアパタイトという成分がコーティングされた表面構造の製品がある。
比較的短期間で骨と結合する性能を持っており、人間の骨との相性も良い。
一時期はHAコーティングのインプラントは撤退したメーカーもあったが、このHAも年々進化し、日本では「京セラ」のファインシアインプラントをはじめ、最近ではオステムなど海外メーカーの製品にも採用されている。
その理由は「短期間でインプラント体が骨と結合する」という特徴があるからだ。
他の多くはインプラントだけというメーカーが多いけど、京セラはインプラントだけでなく、様々なメディカル分野で活躍しているメーカーですもんね。
ここ最近のシェア上位メーカーの新商品も、表面構造はストローマンの「SLA」に近い構造になっていると聞きますからね〜
これからのインプラント製品の技術進歩にも目が離せないのである。
まだ残る『格安インプラント 』
これは記事とは関係ないが、この内容にもきちんと触れておきたい。
一時は1ピースインプラントでは「格安インプラント」を謳い、値段の安さを売りにする歯科医院がかなりあったが、2024年現在はかなり数少なくなった。
最近このメーカーはまた「価格を見直しませんか?」って格安インプラントを推奨するチラシを持ってきたぞ!
医療の安売りは実際には長続きしないのが現状である。
そうしてつぶれる歯科医院や訴訟を抱えて格安インプラントから撤退し路線変更した歯科医院を編集長は数多く見てきた。
「安くすれば患者は来る!」と、短絡的な手法(長期的な経営戦略ではない)に乗っかる歯科医院も歯科医院だが、引っかかる患者も患者である。
数本程度であれば問題ないかもしれないが、口の中がボロボロの人であればあるほど「格安」とか「価格の安さ」で探すと失敗する確率は高まる。
ほとんど歯が無い人やボロボロの方だと
- 複数本もしくはほとんど歯が無い場合には1ピースインプラントでは埋入本数が増える(植立=1ピースでは被せ物の土台が最初から出ているので植立と言うことが多い)
- ALL-ON-4(オールオンフォー)など複数本もしくはほとんど歯が無い場合のインプラント治療には2ピースタイプのインプラントが使われる
- ボロボロの人、特に口腔管理(メンテナンスなどの定期通院)ができない人、術後も管理が変わらない方、歯科医師のメンテナンス計画や指導に従えない方にはインプラント治療は向かない。
なので、安い歯科医院を探そうが大掛かりな手術になると、手術を境に口腔内への意識が変わらなければ今までと同じように、またボロボロになる確率も高くなってしまいます。
むしろ重要なのは、治療の成功とか値段とかよりも「術後の口腔管理」が大事であり、長期維持するように設計されたインプラントの性能を口腔内で発揮させてもらいたいと思う。
その性能を患者さん側で台無しにしないよう口腔管理することが大事なのです。
まだこのネタなの??死亡例の引用
この死亡例って結構前だよね?数年前(6〜7年??)にはまだこの例を掲載する週刊誌はあったけど、未だにコレなの?
だったら下顎の奥歯の話に触れるのだったら「下顎の奥歯のインプラント」とか「上顎のサイナスには注意」とか、もっとタイトルに工夫があれば・・・
先生方からはこのような意見もあった。
表紙やキャッチコピーでインパクトが無いと販売部数が伸びないのは分かる。
【保存版名医100】と言いながら前出の有名な先生の歯科医院が出ていないのは何故?
たぶん先に「表紙タイトル」の「天国と地獄」を決めちゃったんじゃない?地獄のインパクトが無いから過去の死亡例を出すしか無かったとか・・・
まあ、歯科医師の先生の反応は良く無かったというのは間違いない。
失敗の定義
文中に「10本埋めて5本は失敗」とあった。
失敗という定義は何か?という事を考えたい。
「ん?僕ならこの位置にこういう埋入しないよ」という意味なのかな?明らかに「これは違うよな?」という場合以外、これは失敗とは言わないよね?
インプラントの全周に骨が無い。つまり骨の一部に掛かってはいるがインプラントの表面が露出しているなどは、歯科医師の先生から見て「失敗」と言えるだろう。
だけど、歯科医師の先生が言う「失敗」と、患者さんの思う「失敗」は違うという事に触れておきたい。
インプラントは埋入すれば100%骨と結合するわけでは無い。
インプラントは基本チタン素材で出来ていて、人間の身体と相性の良い素材であるが、元々身体の中に存在するものでは無いので「異物」である事には変わり無い。
「えっ?異物?」と思うかもしれ無いが、骨折した時にボルトを入れるのを思い浮かべてもらうとわかると思う。この骨折した時に骨をつなぐ「ボルト」もチタンで出来ている。
要は「血液」と「チタン」と「骨」の3つの要素でくっつくのだが、口腔内の場合は骨折した時とは状態が違うのだ。
唾液などに含まれる歯周病などの「菌」も関係してくるだけでなく、人間が持つ抵抗力が「異物」と判断し親和(インテグレーション:骨とインプラントがくっつく事)をしない事が稀にある。
患者さんにその事を説明しておかなければ患者さんは「失敗した」と思うであろう。
こうした説明があって「失敗」と「成功」の違いなどが解説されていると、何にも問題無いのだが・・・と正直に思った。
ただ気になったのは、「インプラントは寿司屋の時価と同じ」って?時価って意味は「その時々の価格」って事でしょ?これは変じゃない?
確かにインプラント治療が時価という表現は今まで聞いたことも見たこともない。
この表現にはさすがにこの記事を見た先生方もびっくりしていた。
まとめ
格安でインプラント治療ができる歯科医院を探している人や、ネットの口コミや記事をそのまま鵜呑みにしてしまう人にこそ問題があるかもしれない。
当サイトでは今までいろんなインプラント治療における注意喚起や問題提起を記事にしてトラブルを抱えた患者さんなど問題を解決してきた。
編集長はマニアック過ぎなんですよ〜
個人で韓国に行ってオステムの工場見学したり(笑) ワールドミーティングにも行ったり。
当サイトではメーカー名を知る事の大事さや治療価格の相場、チェックリストなど患者さんや歯科医院のどちらにも役に立つ情報をいち早く着手して推奨してきましたからね〜
編集長は個別指導にも出た事もありますし、テレビの取材にも協力してきましたからね〜
※個別指導とはお上(厚生労働省の厚生局からの呼び出し、健康保険の使い方など間違った事を個別に呼び出されて技官(お偉い人)に指摘され指導される事)。個別指導でダメだと保険医停止の処分など厳しく処分され、保険診療ができなくなったりする。
ウチに相談来た方にTV出てもらった事もありましたね。
ホームページには良いことばかり書いてあり、「俺様対応」や「自称名医」や「自作自演」などはゴロゴロしているのも現状。確かに腕はあるかもしれないが、インプラント治療は自由診療なだけに、患者さんは嫌な所には通う必要はないと思いますよ。いくら技術があったとしても最後は結局人ですから。
AとBが同じ技術だったら当然先生の感じが良い方を選ぶでしょ?
歯科業界の人間だからこそ分かる事もある。良い先生も嫌な先生もたくさん見てきたがからこそ分かることもある。
ここで伝えられるのは「リアル」だけという事は間違い無いだろう。
名医かどうかは患者さんの評判が決めるものである。
これはある歯科医院のクレームが数ヶ月の間に立て続けに来た事も過去にあるからだ。技術ではなく言い方や対応、説明、取った行動の話だった。
名医であっても全ての患者さんと相性が良いというのは不可能という事もわかる。
目立てばファンも増えればアンチも必ず出るのが世の常。
患者さんを見下す言い方や物言いが酷いのも名医なのか?表面上だけ?というのにはいささか疑問が残るのである。
良い先生は出入りする業者さんからも「あの先生は技術もあって人柄も良い先生よ〜」と噂で聞くよね?
その反面、「あの先生、威張って偉そうに・・・今時医者でもあんな威張った先生いないわ」とか悪い話は良い話以上に直ぐに耳に入りますね。特にその歯科医院で働いていた辞めたスタッフや患者から広がりますもんね。
当サイトで「インプラントメーカー一覧」はかなり早い時期から公開してきた。これからは閉院する歯科も増えるだろう、転院する患者も増えるだろうと未来予想していたからだ。
その時にメーカー製品を判別できないと困る。当時は転院でも受け入れる歯科は少なかった。いや、むしろ転院はトラブルの元だから受け入れないという地域もあった。ようやく歯科医師の先生がパノラマ写真から全メーカーの判別できるようにデータを公開する時代になった。監修している先生は本当に凄いと思う。
インプラント治療は患者さんにとって良い治療だけに、それを推進する立場としては、安心安全は当たり前。
患者さんには決して近道や安さを追求する事なく、技術と人柄の良い先生と出会ってもらいたいものであると・・・日々そう考えています。
もし週刊誌を参考にして歯科選びするなら
最近はGoogleの口コミを調べる人も多いはず。
ここに悪い評価や評判を書き込まれるのが嫌だから(もしくは書き込まれたから)という理由でGoogleに書き込みフォームごと表示させないようにする歯科医院もある。
あれっ?何でここの歯科医院は口コミ出ていないのだろう?
と思った人もいるのではないでしょうか?
先生の言動や行動に対して複数のコメントがある場合には、他からの嫌がらせの場合もあるが、あまりにも同じようなクレームが多い場合は信憑性も高い場合が多い。(歯科医院に出入りする業者さんや辞めたスタッフからのアドバイスより)
例:すぐ休診にする、態度が横柄、など人柄を現すもの
いい☆しかないなど不自然な場合もあるのであてにならない。
あとはX(旧Twitter)などでも調べてみるといいだろう。
総合的に見て、「見れば見るほど信じやすくなり、見れば見るほど不信感も増える」のがネット上の口コミだ。
少なくても自分で自分のことを「信用ある」とは書かないですよね(笑)
そういった所には行かないのが賢明です。